さっきラジオでスペイン出身のピアニスト ホアキン・アチュカロ(Joaquín Achúcarro)の1月のピアノ・リサイタルの音源が流れていて、前半のフェデリコ・モンポウ作品の演奏部分だけ聞いた。
スペインの巨匠ピアニスト、ホアキン・アチュカロの来日公演開催 ショパン・アルバムも発表 | CDJournalニュース
モンポウは個人的には有名な『ひそやかな音楽』の印象が強くあり(また高橋悠治の解釈の演奏ばかり聞いてきたので)、印象主義に影響を受けた非機能和声的で静かな音楽という印象が強かったが、最近評価の声が高まっているとのこと(cf. 上掲リンク先)。この回のリサイタルはモンポウとファリャの楽曲が中心であり、当然眼目はモンポウの「スペイン的」な側面であろう。選曲のせいもあるのだろうが、複雑に調性感を曖昧にしたものよりむしろ、”Canción y Danza” の第6番など、情感的かつ旋法的な特徴がわかりやすい楽曲が選ばれていたように思った。
モンポウについては研究も盛んなようなので、論文など探して読んでみたい。
また、面白かったのがモンポウ作曲の “Variations sur un thème de Chopin” (「ショパンの主題による変奏曲」)。不勉強なので多弁は控えるが、ショパンにおけるポリトーナリティや旋法性についてはそれこそ多様な先行研究があるようで、そう考えるとモンポウによるアプローチは発展的ともいえるか。