建築における瀬戸内的なもの@香川県立ミュージアム

投稿者: | 2019年4月29日

建築における瀬戸内的なもの:特別展「日本建築の自画像 探求者たちの もの語り」関連 プレ・シンポジウム

聴講。

建築、歴史、民俗など様々な視点から「建築における瀬戸内的なもの」とは何か、そもそもそんなものがあるのかどうかについてあぶりだしていく試み。第一部が30分×5の講演、第二部が講演者登壇によるトークとなる。

例えば山本忠司は地域主義の建築家と称されることを嫌ったのではないかというエピソードから、風土性は建築の目的ではなく、その場所に建築をつくることによっておのずから表れるものではないかという観点が挙がる。しかし、「瀬戸内的なもの」というパターンを抽出することにさほど意味があるだろうか、むしろ個別具体的な局所性の記述の重層のなかに淡くにじみ出るものとしてしかとらえられないのではないか、などいろいろと議論が飛び交った。

計量的な表現や抽象的なパターンの抽出で武装した弁舌が具体的なフィールドの体感的・共感的知見の積み重ねの前で圧倒的に空疎に見えるという光景も目撃。他山の石である。

個人的にも自身の研究に引き付けられそうなポイントが多くあったので深掘りしていきたい。また、やはり現場を歩かねばなんともならないなとも思った。

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