初心にかえる

投稿者: | 2023年12月13日

先日ある講演で、「初心」というときの〈初〉の字は、衣に刃をいれる、と読めるという話を聞いた。つまり、それまで積み上げてきた何かを切り捨てることで初心にかえり、次の一手が打てるらしい。

私にとっていま切り捨てなければならないのは、エンジニアという仕事への執着であろう。

あと少しなんだがな、と、そればかり悔しい。ほんの少しの経験で一気にひらける予感がある。しかし、それはもう叶わない話だ。無駄なことは勘ぐらずに捨てる。

コーディングは好きだ。競技プログラミングの練習を少ししていて、それが楽しい。

楽しいなら、それはそれで楽しめばよい。昨今、別にエンジニアリングを職業にしなくても、いくらでもコーディングを楽しめる。

コーディングは好きだが、特に何かツールのようなものを作りたいという意欲はない。もう少し抽象的に考えている。

楽しめばよい。その一環として、情報理論も学ぶ。コーディングについて数学的に考えたりもする。

結果をあらかじめ期待しない。なるようになるものである。いまできることをする。手を動かし、本を読む。

いまできることを積み重ねているうちに、いまできないことに手が届くこともあるだろう。そのくらいの余裕がほしい。

私の履歴書はすっかり白紙になったも同然だが、振り返って、履歴書に書き記したいようなキャリアがあったかというと、あまりない気もする。

ここからゼロスタートのようなものだ。負けてたまるかと、根性だけが支えである。

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