今日聴いた音楽から ~ 2023/11/11

投稿者: | 2023年11月12日

なんとなく。10代の頃、 Pizzicato Five はよくわからなかった。多分東京にいた20代の頃もわからなかったし、その後もわからないし、いまでもわかっていないと思う。この曲は夏木マリの小西康陽プロデュース盤で聴いて耳に残り、サブスクの時代になってようやく本家を聴いた。

夏木マリのバージョンは完全に「女優」が演じているというふうに作ってあったので安心して聴けたのだが、Pizzicato Five は私のような田舎者には「どのくらい本気なのか」がよく見えない分、歌詞やアレンジ、細かいコードチェンジなどから、刺々しい繊細さが際立ってセンチメンタルな気分になる。エンディングのストリングスのサンプリング音の深刻さとか、そういう音にいちいち反応してしまうのは、多分体調がよくないからだと思う。

わりと難しそうな旋律を正確なピッチであっさり歌うが、エモーショナルになりそうな感情をあえて低温でじっと見つめているような抑圧的なエモさがある。それが「どのくらい本気なのか」が見えない。フィクションと割り切った場合、得意か苦手かでいうと、あまり得意ではない。まんまと情緒を乱されてしまうのが悔しいのかもしれない。今後も「よくわからない」とうそぶき続けるのかもしれない。

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