分析/総合

投稿者: | 2023年6月11日

分析的の対義語は総合的である。*1 総合的とは

  1. 別々の物事を一つにまとめるさま。
  2. さまざまな事情を加味し大所高所から判断するさま。全般的。全体として。

とある。*2 改めて分析とは

  1. 物事を、その構成要素に分けて、性質や構造を明らかにすること。
  2. 物質の成分を検出し、その化学的組成を明らかにすること。

要するに分けるのが分析であり、全体として見るのが総合である。*3 これは常識の範囲内。

一歩踏み込むと、カントが総合判断と分析判断ということを言っている。ウェブ検索するといろいろヒットするが、概して出典のひとつも明かさないページが多くて参照しにくい。

たとえばこのページ *4 も例に漏れず出典がないが、カントの総合判断と分析判断について

分析判断とは、は述語の概念がすでに主語の概念の中に含まれている判断であり、総合判断は述語の概念が主語の中に含まれていない判断である。

と整理して、認識の拡張は総合判断によってもたらされるとする。さらに、判断が経験的であればその認識の拡張は普遍性を持たず、先験的総合判断は経験から独立であるため普遍性を持つとする。(出典…)

そして、これが個人的にはちょっと面白いなと思うのだが、「数学の認識」は先験的総合判断であるとされる。出典がないが、『純粋理性批判』の序文であるらしい。*5 カントはほとんど読んでいないのでここでの深入りはしないが、この辺から入門してみるのも個人的にはよいかもしれない。

しかし、現実の生に倦み果てて挙げ句先験的なものに惹かれていくのが世の常とはいえ、我ながらよくやるなと思いつつ勉強を続ける。とにかく勉強不足を痛感してばかりだ。

*1 反対語大辞典 https://hantaigo.com/word/%E5%88%86%E6%9E%90%E7%9A%84
*2 ウィクショナリー日本語版 https://ja.wiktionary.org/wiki/%E7%B7%8F%E5%90%88%E7%9A%84
*3 ウィクショナリー日本語版 https://ja.wiktionary.org/wiki/%E5%88%86%E6%9E%90
*4 Hitopedia https://hitopedia.net/%E7%B7%8F%E5%90%88%E5%88%A4%E6%96%AD%E3%81%A8%E5%88%86%E6%9E%90%E5%88%A4%E6%96%AD/
*5 飯塚一. (2012). カントの数学論について. 哲学論叢, 39(別冊), S12-S23.

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