TRY🅰️NGLE CD発売記念ライブ!

投稿者: | 2022年9月20日

山崎比呂志(Ds)、井野信義(B)、林 栄一(As)。

1950~60年代より高柳昌行、阿部薫、菊地雅章らと活動を共にし、スタンダードなジャズからフリーフォームまで、その独自なドラムのサウンドでリスナーを惹きつけてやまない山崎比呂志が、いま最も力を入れているユニット、TRYANGLE。山崎のドラム、パーカッションと朋友・井野信義のベースという強力なリズム隊に、各々のライブで多様なゲストを迎えるという形が”TRYANGLE”という不定形ユニットである。[https://www.doubtmusic.com/items/65494523]

今日の山崎の演奏は、どちらかというとパワーヒットよりも音量を抑えて細かいテクスチャーを聴かせるインプロヴィゼーションである。ドラムセットは全体的に胴の浅いものを組み合わせていて、余韻を抑えて打音のトコトコという細かい乾いた音が豊かに聴こえるパルスビートが主である。これが井野のベースの自在な感じとマッチしていて、林のアルト・サックスものびのびと聴こえる。

抑えめとはいえダイナミクスはあり、山崎の吠えるようなうめき声を発しながらのドラム・ソロは非常に迫力がある。

音量を抑えることでひとつひとつの発音のニュアンスの多様さが浮き彫りになる。ドラムは顕著だが、ベースも淡々としつつもアルコでノイジーな音を出すなど、アコースティックな面白みがある。林はとりわけ、同じ音程を吹いたとしてもどの一音も同じではないような、非常に含みのある多彩な音を発していて、三人の演奏が合わさると実に豊かな音像が立ち現れて聴き入ってしまう。

ことさら対話的に合わせるとか合わせないとかいうことではなく、それにこういう演奏で聴いた音に反応して演奏していては間に合わないのだから、ある種の予期や予感に導かれて結果的に場ができる。余韻を殺した、乾いた隙間の多い音像が、三名の音の輪郭を際立たせて、どこか達観したようなインプロヴィゼーションの境地を垣間見せた。こういうのは特に現場で観たい。

↓ 参考。山崎・井野参加。

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