オンライン講座「アフリカ音楽のフロントライン」

投稿者: | 2020年11月1日

アフリカ旅行のツアーの販売などをしている株式会社道祖神提供のオンライン講座『音楽ライター・吉本秀純さんの4週連続!オンライン講座『アフリカ音楽のフロントライン』』に四週続けて参加した。以下のような地域別に、音源を紹介しながら1.5時間ほどの講義+質疑応答という形。

  • 第一週:西アフリカ
  • 第二週:砂漠のブルース~北アフリカ
  • 第三週:中部南部アフリカ
  • 第四週:東アフリカ

私自身、アフリカ音楽の知識は昔洋楽雑誌が取り上げたいわゆるワールドミュージックの文脈でのものが多く、そこで取り上げられたミュージシャンは今では大御所格である。その後もアフリカのシーンは激変しているのだが、アップデートしようにもなかなかとっつきづらいところがあった。いい機会だと思ったので参加し、実際大変満足した。また、商業ベースできっちり成功しているポップなアーティストを丁寧に紹介していただけたのもありがたかった。

政治経済的問題(旧宗主国との関係、移民など)、欧米のレーベルの進出、テクノロジーの問題など様々に錯綜しており、一面的に切り取るのは難しい。また、地域差も大きく、民俗的な要素と新規性の比重なども多彩である。また、メディアの問題もある。MTVの普及に伴って凝ったミュージックビデオを作り始めたのが、今ではスマートフォンでYouTubeを見るのが当たり前となり、そこから地域外への波及もある。一発当たれば何億もの再生回数を稼ぎ出す。なかなかとんでもない世界である。

砂漠の真ん中で民族衣装を着て踊りながら、爆音でエレクトロニックなトラックが流れている、というような、いわゆるアフロフューチャリズム的(*)とも言いたくなるような音楽もあり、これは欧米からのイメージの投影を受け止めて拡張的に再生産しているのか、あるいは上述のようなテクノロジー等の問題から自ずとこのような形になってきているのか、なかなか興味深い。また、音楽制作環境がある程度整っている都市とそうでない地域では音楽の洗練度が異なるが、そういうものが「ない」地方から「ない」がゆえの個性が突出してくるというコンゴのキンシャサのような事例もあり、クリエイティビティについて考えさせられる。

* アフロフューチャリズム自体が欧米からの過剰なイメージの投影ではないかという点への指摘はあると思う。要研究。参考:Red Bull Music Academy

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