Led Zeppelin – Led Zeppelin
いまさらいうべきことも特になさそうな有名盤。
Led Zeppelinのデビューアルバム。1969年リリース。時代の変わり目というか、60年代の終わりというか。
リフ一発の長尺ジャム(といっても7分程度だが)とか、スローなブルースとか、昔はあまりキャッチーに感じられなかった部分が、ジャズを聴くようになってから戻ってみるとよくわかり、まったく飽きずに聴けるので、耳も変わるものだなと思う。なんならもっとズブズブにジャムってくれてもええんやで、というくらいのものだ。
“Dazed And Confused” のやや作為的なサイケデリック感も時代の味と思えば興味深い。もちろん演奏はスリリングで良い。J・P・ジョーンズとJ・ボーナムのリズムセクションは、シンプルさ、重心の低さ、音質、技巧などあらゆる意味でロックのリズムセクションのひとつの理想だと思う。
プログレに近づきそうな要素もありつつも、そっちには行かない。どちらかというと観念には向かわずにルーツミュージックの泥臭さに向かう。地に足がついているというか。逆に “Communication Breakdown” のキャッチーさなんかは、サービスし過ぎでは? と思う。もっとトロットロにジャムってほしい。そういうことでいうとラストの “How Many More Times” のジャムバンドっぽい緩やかな展開が良い。ギターのオーバーダブを抜いたバージョンがあれば聴いてみたい。(追記:69年のライブ映像があった)