「世界の快適音楽セレクション」(NHK-FM)の再放送を聴いていたらNASの “I Can” がかかった。
毎回お題に沿った選曲で古今東西の音楽を流す番組で、今回の選曲テーマは「クリーンの音楽」。”I Can” は歌詞によるチョイスで、ラジオでの紹介は「努力すればなりたいものになれる、ドラッグをやったり悪い仲間とつるんだりするな」と説経節の説明のような簡単なものだったが(実際、要約するとそうなるかもしれないが)、改めてリリックを見直して聴くと(YouTubeは字幕でリリックが見られる)、非常に迫力があって素晴らしかった。代表曲のひとつと称されるのもわかる。ちなみにこの曲は、シングル盤がリリースされたときには Parental Advisory マークがつかなかった。
“I AM THE AMERICAN DREAM”。きちんと背負った上でポジティブでシリアスなメッセージを発する。韜晦も誇張も小難しいレトリックもない。それこそ子供にも伝わるようなリリックで、彼のバイオグラフィーがリアリティを裏付ける。「嘘のない表現」とはどういうものかと考えさせられる。