#author("2023-11-22T03:10:30+09:00","","")
#author("2023-11-25T23:31:45+09:00","","")
[[人文]]
* 書誌情報 [#e5fdb825]
野矢茂樹, 『言語哲学がはじまる』, 岩波書店, 2023

* 読書メモ [#vd0014f6]
** 23/11/20 [#n9a58644]
第2章まで
- 文体が冗長で論理式を使わない(わかりやすさを優先しているのはわかる。新書の入門書)
- フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタイン
- 第1章:個別性と一般性のギャップ→一般観念説→批判→おかしいのは指示対象説
-- 文の意味に先立ってまず語の意味を捉えようとする方針が間違っている。
- 第2章:『論理哲学論考』「世界は事実の総体であり、ものの総体ではない」
-- もの=対象=語、事実=文とすると、語は文との関係においてのみ意味を持つのであって、文に先立って語の意味があるのではない。
-- 要素主義を批判し、文脈原理を取る。
- 言葉と世界の関係 1) 指示 2) 真偽 → 後者を起点に議論する。
-- 命題関数・・・個体から真偽への関数
- 固有名も文脈原理にしたがう。
- 合成原理と文脈原理の両立
** 23/11/21 [#b756fd11]
第5章途中まで
- フレーゲの文脈原理と合成原理(第3章)、ラッセルの要素主義(第4章)を経てウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』へ(第5章)
- 第3章
-- フレーゲにおける固有名、述語、文の意味のふたつの側面:意味の外延的側面 "Bedeutung" (指示、指示対象) と内包的側面 "Sinn" (意義)
-- 文の真偽との関係で、固有名と述語の意味が決まる(文脈原理)。固有名の指示対象が個体、述語の指示対象が命題関数だとすると、文の指示対象は〈真〉ないし〈偽〉となる(合成原理)。
-- いかにして、どのように〈真〉ないし〈偽〉となるのか(文の真理条件)=意義の側面
- 第4章
-- 〈無意味〉と〈偽〉は異なる。
-- 記述理論、確定記述
-- ラッセルは意義という内包的側面を認めず、語の意味はその語の指示対象であると一貫して主張した。
-- 固有名は個体を指示し、述語は性質ないし関係を指示する。個体、性質、関係は世界に存在する。個体と性質ないし関係を組み合わせたものを「命題」と呼ぶと、命題関数は個体から命題への関数である。構成された命題が文の指示対象であり、文の意味である。
--
** 23/11/25 [#td60fb9d]
第5章、おわりに(了)
- 第5章
-- 『論理哲学論考』の言語論をフレーゲ、ラッセルの言語論と対比し、その限界と『哲学探究』への連絡までたどる。
-- 論理空間における可能的な世界、真理関数、認識価値、信念文
-- ウィトゲンシュタインが「語り得ないもの」として切り捨てたもの
-- 言語実践の動的な言語観へ

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