#author("2023-12-23T17:45:30+09:00","","") #author("2024-01-15T02:14:22+09:00","","") [[人文]] * 書誌情報 [#s1f6cd63] 多木浩二, 『天皇の肖像』, 岩波書店 (岩波現代文庫), 1988/2002 * 読書メモ [#a9c39222] ** 2023/12/17 [#xa3d64fc] 第3章途中まで - 明治天皇の視覚化・・・天皇中心の倫理的共同体を統合原理としつつ近代化していく日本 - 見られる天皇=権力の明確化、国家意識の醸成 から 見る天皇=権力の発露 へ - 錦絵の比喩的表現 - 写真技術、身体の顕現から肖像写真への移行 ** 2023/12/22 [#x6199627] 第4章1節まで - 引用。「維新当初の天皇視覚化の戦術はまだ古典的であったが、それが近代に属する視線に触れて変化し始めたことを意味する。この新しい視線を機能させる政治技術は、それと相反するような天皇神格化を目標に、新しい象徴言語としての写真を手にしてどこまでも進んでいったのである。」[p.113] ** 2024/01/14 [#le55b5d6] 第4章、第5章、第6章、おわりに、参考文献、解説 (大島洋) (了) - 御真影から明治天皇の身体の「二重性」を論じる。エルンスト・カントロヴィチ『王の二つの身体』への言及。 - 写真、肖像、シンボル、身体 - 天皇を中心とした階層構造としての日本を描出したうえで、その組織から排除されることによって支える「暗黒」の存在を示唆して終わる。 - 多岐にわたる論点が御真影という軸を中心に緻密により合わされた。