#author("2023-11-21T01:40:13+09:00","","") #author("2023-11-21T02:29:00+09:00","","") [[音楽]] * 書誌情報 [#ebe8271c] 谷正人, 『イラン伝統音楽の即興演奏――声・楽器・身体・旋法体系をめぐる相互作用』, スタイルノート, 2021 * 読書メモ [#te1f34d4] 23/11/18 ** 23/11/18 [#v6fba2c6] 第1章~第4章 -第1章:突出した「個性」を語れないものとして「礼賛」する傾向に対して、自身のイラン伝統音楽習得経験から、いかにして「個性」が学びの中から生まれるかを記述する試み。 -第2章~第4章:これまでの言説においては音楽の外部とみなされてきた演奏者の身体性を改めて問う。歌謡における言葉のリズムと音楽のリズムがいかに影響しあっているか。楽器の構造が音楽をいかに規定するか。聴覚以外の感覚が音楽の理解と深く関わり合っていること。 --これらは演奏者にとってはどれも当たり前のことなのかもしれないが、アカデミックな言説からは抜け落ちていた視点ではないかということ。そして、その欠落を指摘するだけでなく、イラン伝統音楽を題材にひとつの事例を記述すること。 23/11/19 ** 23/11/19 [#t66817da] 第5, 6章、あとがき(了) -第5章:音楽家ごとに異なる身体性がある。そして、それには何らかの合理性があり、その合理性は楽器の構造、特に盤面と関連している。そのような身体性を記述するには適切な語彙と文法の開発が必要である。記述することで音楽家ごとの身体性の差異を知り、新しい身体性へと可能性を開くことができる。 -第6章:ラディーフ(伝統的旋律型グーシェの集合体)を学ぶ過程を具体的に示し、譜例を示しながら即興演奏にどのようにつなげていくかを考察する。